メンテナンスのお話 〜第2回〜
屋根、外壁は風雨から家を守る重要な役目があります。
雨漏りの現場に行きますと、雨漏りの発生している箇所(天井や壁や窓枠等)を確認できても、雨水の浸入箇所を断定するのは非常に難しい場合があります。
それは第一浸入箇所(屋根、外壁、破風等の直接侵入箇所)から防水シートをつたって水が入り込み、次に入りやすい箇所から下地の合板等に流れ、構造材(桁 や柱)をつたっていくという、建物の複雑な構造によって雨漏りが発生するからです。
その為雨漏り発生箇所の反対側の壁に浸水箇所が見つかったケースもあります。
○屋根からの雨漏りの原因としては以下の要因があげられます。
①施工ミス。
下地シート(ルーフィング)の重ね具合が少ない・破れている・板金の施工不良等がありますが
施工管理が行き届いている住宅会社であればほぼ問題は無いでしょう。
②屋根材の破損、劣化。
施工時期が古く地震等で破損しやすい瓦屋根や、比較的薄い窯業系屋根材の踏み込みによる破損・施工時期の
古い金属製屋根材を海岸地域で使用した為の塩害による腐食劣化があります。
③役物(水切りや雨抑えやケラバ水切り等の金物部材)の破損、劣化や負荷による雨水の浸水。
腐食による浸水や落ち葉等の堆積により水があふれ浸水することがあります。
④想定以上の風雨の強さによる浸水。
横なぐりの強風を伴う暴風雨により、屋根材の重なり部分や軒先から雨水が浸入することがあります。
⑤設計上の問題。
風雨の強さによりますが、屋根勾配が緩いと雨水が浸入しやすくなります。
複雑な屋根形状により谷等のジョイント箇所が多いと雨水浸入のリスクは増します。
○屋根材の定期点検及びメンテナンス。
専門業者による定期検査の期間が終わっても引き続き点検ならびにメンテナンスをお願いすることが重要です。素人判断で屋根に上ったり補修を行うことは危険です。
雨漏りは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、建築を請け負った会社に10年間の瑕疵担保保証義務がありますが、それ以降は定期検査の結果、補修工事等の必要がある場合は有償となります。
モリス住宅総合研究所 監修