外壁のお話 〜第3回〜
外壁材の選び方
意匠性
外観(形状、屋根材、サッシの種類カラー)や敷地の条件を考慮することが大事で、複合材(例:鋼板サイディングと窯業系サイディング
の組み合わせ)の使用も可能ですが、 住宅会社のアドバイザーの意見や施工物件その他を見て検討することが必要です。
又、色調についてもあまり目立つものは避けた方が厭きもこなく賢明といえるでしょう。
対劣化性能
最近の材料、工法については比較的劣化の速度が遅いものが増えてきましたが、外壁の種類毎に以下の注意事項やメンテナンスの
必要性は知っておくべきです。
湿式工法(モルタル下地+リシンかき落し、リシン吹き付けタイル等)では、クラック(ひび割れ)が発生することがあります。
乾式工法の中で、窯業系サイディング(現在の住宅の大半に使われている)は、施工上ジョイント部分にコーキングを充填する為
10年以上経過した後にコーキングの打ち直しの必要が生じることを知っておいて下さい。
ALCやスレート系でもジョイント部にコーキングが充填されていれば同様です。
金属系サイディングでは、塩害の発生が懸念される地域では材料の選択や施工方法を検討することが大事です。
他、塗装の劣化(退色)によっては再塗装の必要も出てくることがあります。
窯業系サイディングについては、メーカー塗装品(現場塗装を避ける)を選ぶことがベストでしょう。
断熱性能
外壁材単体でみることよりも、様々な高性能断熱材を使用する住宅会社が多くなって来ていますので、断熱の仕様を比較、
確認することが大事です。
防火性能
ALC、窯業系サイディングの防火性能は確立されており、金属サイディングなどについても単体で防火性能が劣るのであれば、
下地材に防火材を施工し数値をクリアしますので心配は不要です。
火災時に延焼のポイントとなるのは開口部であり、その辺りの設置位置、仕様等の検討が大事です。
コスト
一般的な窯業系サイディングを選択することが無難といえます。
モリス住宅総合研究所 監修