分譲マンションの購入のリスク~第2回~
マンション購入は運命共同体への参加
マンションの世帯数が40あれば、40の家族の生活とその将来に渡る変化ならびに建物の老朽化による運命を共有しなければならない事実をお話します。
一、修繕積立金では将来発生する全ての工事費はまかなえません。
マンション購入者の加入する管理組合の元に、管理費や修繕積立金を支払い続け、将来発生する補修ならびに修繕工事費を捻出するわけですが、これは予測される基本的(外壁補修、塗装、給排水経路のメンテナンス屋上 防水工事等)な工事予算のみであり、施工不良(立証が難しい)や地震又、予想外の劣化による修繕費用はその都度住民が負担せざるを得ません。
二、他人の修繕積立金まで支払うことにもなりかねます。
入居当時は、ローン返済可能な、健康でQOL(生活の質)が維持されている住民が定住することになりますが、20~30年もすると老齢化やそれに伴う様々な疾病の為に収入元が危うくなってきたり、あるいは、独り身となり子供たちの元へ同居し無人世帯となったり、逆に贈与により子供世帯と入れ替わったり又、第三者に賃貸借する者が出て来たりと住人の様相が変化し、修繕積立金の予定総額が徴収出来ない状況が発生する可能性があります(現実に、老朽化したマンションの深刻な問題が発生しています)。結果、マンション全体の質の低下とともに資産価値などが大幅に目減りします。
三、生活リズムや価値観や社会性の異なる未知の他人と共生する為に起こる問題。
●管理組合が関与した主なトラブル
※資料・建設省「平成12年マンショントラブル調査」重複回答
① 騒音の問題 50.2% ※音は状況により感じ方が大きく異なります
② ペットの問題 45.4% ※最近特に多くなっています
③ 駐車場問題 36.4% ※機械式等では特に多い
④ 管理費等の滞納 34.3% ※前述
⑤ 上階からの漏水 23.5% ※比較的発生頻度の高い事故です
⑥ 雨漏り 23.5% ※雨漏り箇所が見つけられないケースが多い
⑦ バルコニーの使用方法 16.2% ※美観等の問題で規制があります
⑧ リフォームに伴うクレーム 12.5% ※特に騒音増の問題
次回「マンションと戸建て住宅とのリスクの比較」をご覧下さい。
引用文献 「後悔しない住宅造りの為のコンサルティング」分譲マンション編
モリス住宅総合研究所 監修