科学物質過敏症とは?
住まいの快適性とは、好みに合ったデザイン、機能的な動線、設備機器の最適な選択配置、などによって得られると考えがちですが、アレルギーや化学物質過敏症の予防を考えた建築計画も重要です。
微量の化学物質により、健康への被害が出てしまう症状を「(多発性)化学物質過敏症」と呼びます。
その原因物質としては建築材料や室内備品類(家具、ソファー等)、化粧品、芳香剤、殺虫剤などから発生するホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)が挙げられる他、遺伝的な要素や食生活、生活環境の変化なども影響しています。体内に原因物質が蓄積して代謝しきれない状態になった体が過剰(防御)反応を起こして症状として発生します。
具体的な症状としては、めまい、肩こり、不眠、精神的な不安を訴えるなど多岐に渡っています。
しかも個人差が大きく、同じ環境化にあっても発症しないケースもある為、症状の特定や治療が困難です。
症状が出てしまった場合は、原因物質から遠ざかる、適度な運動によるストレスの解消、ビタミンCやミネラルの摂取、入浴による新陳代謝の促進が有効です。
同時に、原因物質を取り除く為に換気を中心とした室内空気の清浄も必要で効果的ですが、日常生活に支障をきたすほどの症状であれば専門医への受診が必要です。
先ほど提示しました諸症状は、最近特に患者数が増加している(認知され診断されやすくなった)「うつ病」の主たる症状(不眠、不安、食欲不振、何もやる気がしない等が2週間以上続く)と重なる部分がありますので注意願います。
又、この症状ならびに頭痛や腹痛、気だるさ、めまい等で各科を受診しても体には異常が無いと言われ、最終的に精神内科等でうつ病と診断される「仮面うつ病」のケースも最近多いので気になる症状がありましたら精神内科の受診を優先して下さい。
モリス住宅総合研究所 監修