200年住宅のお話
200年住宅とは
「良質な住宅を造り、きちんとメンテナンスをして、その記録(住宅の履歴)を残して、子供や孫の時代あるいは他人(購入者等)まで大切に長く使おう」という考え方からできた住宅です。
スクラップ・アンド・ビルドのフロー型(新築重視)消費型社会からストック型(既存住宅重視)社会への転換を目指すことであり、コンセプトとしては非常に重要なことです。
「200年住宅」を実現するためには、まず数世代にわたって長持ちするような住宅の仕様、工法を確立しなければいけません。10年前に100年住宅ブームが起こり、現在建てられる住宅は100年程度もつ為の耐久性や強度は備えていると言われていますが、これを200年に引き伸ばすためには、数世代に渡って耐久性を維持する為の基礎や構造躯体や、高い耐震性が必要になります。
誤解の無いようここで注釈を加えておきますが、200年住宅にしても100年住宅にしても、高耐久な基本仕様(基礎、構造躯体)以外のメンテナンス(取替え、補修工事)はその間で必要に応じて行うことが前提となり、バスやキッチンなどの水回りや配管設備そして老朽化・変化のしやすい内装・設備・間取り(インフィル)だけを交換できる「スケルトン・インフィル構造」が基本的な設計思想です。
設計の基本的としては、上記の高耐久な基本仕様に加え躯体のシンプルさや使用アイテムの絞込みも必要です。
しかしながら、もっとも重要なことは、200年住宅でも現行の住宅でも、工法、仕様、設計に加えて施工管理を確実に行うことが大前提となることは言うまでもありません。
尚、200年住宅については未だ数々の問題(性能基準、社会基盤、コスト、税制優遇措置等)も多くスタートラインに立ったというところでしょう。
モリス住宅総合研究所 監修